一眼レフのメリット・デメリット


これからフィルムカメラを選ぶにあたって、どのカメラを選ぶのが良いのかのご参考になるように、いくつかの種類のカメラをご紹介します。

一眼レフカメラのご紹介

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一眼レフカメラは、デジタルカメラでもかなり普及してきているので、とっつきやすいカメラのタイプではないでしょうか。

前回の記事でもご紹介したように、フィルム一眼レフにはマニュアルとオートがあります。

フィルムカメラを選ぶには、まずマニュアルかオートかを決めよう

上の写真の左側がフルマニュアルで露出計内蔵の一眼レフ(Nikon newFM2)、右側が最新型で、最近のデジカメとほぼ同じ使い勝手をもった一眼レフ(Nikon F6)です。

右側のカメラは、フィルム時代にプロが使っていたようなカメラなので、かなり大きい部類に入りますが、他のものでもオートなら最近のデジカメ一眼レフとそれほどサイズが変わらないと思ってください。

マニュアルとオートを比べると、やはりマニュアルの方が断然小さいですが、古いカメラということと、堅牢につくってある場合が多いので、意外と重さはあります。

一眼レフのメリット・デメリット

一眼レフのしくみ

一眼レフはファインダーから見える画像がそのままフィルムに写ります。
なにを当たり前のことを言ってるんだと思われるかもしれませんが、別の記事で紹介する予定の他のタイプのカメラはそうならないので、あえてこう書いています。

そもそも一眼レフではファインダーの画像がどのように見えているかというと、下の図のような感じになります。

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レンズから入ってきた光が、ミラーで反射され、ペンタプリズムを通り、ファインダーに写ります。

そして、シャッターボタンを押した時だけ、ミラーが跳ね上がり、シャッターが開いて、フィルムに画像が記録されます。

上で書いたような、「ファインダーから見える画像がそのままフィルムに写る」ということが伝わりましたでしょうか?

このミラーが「レフ板」とも呼ばれるため、「一眼レフ」という名前が付いています。

デジタル一眼レフも仕組みは同じで、フィルムの代わりにCMOSやCCDといった撮像素子に画像が記録されます。

最近流行りのミラーレス一眼は、この撮像素子に写った画像を電気信号として、そのままカメラの外の液晶画面に映しているので、ミラーとペンタプリズムが無くても、同じような役割を果たすことができます。

このミラーとペンタプリズムが無いからミラーレス一眼は小さくて軽いんですね。

では、一眼レフじゃない、例えばコンパクトカメラはどうでしょう。

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上の図のように、フィルムに写る光と、ファインダーを通ってくる光のルートが違うことが分かるでしょうか?

これは何を表しているかというと、ファインダーで見た通りにはフィルムには画像が写らないということです。

被写体が遠い場合にはそれほど大きな問題にはなりませんが、近いものを撮る場合には、そのズレが大きくなってしまいます。

フィルムの場合は、撮ってすぐに写真を確認できないため、ズレの度合いがどれくらいだったかが、写真が仕上がってみないとわからないということになります。

以上の一眼レフの構造を踏まえて、メリット・デメリットを整理してみましょう。

一眼レフのメリット
  • ファインダーから見える画像で、写真の仕上がりがイメージしやすい。
  • レンズの構造上、最短撮影距離が短くできるので、被写体に寄って撮れる。
  • レンズを通ってきた光がそのまま見られるので、望遠にも強い。(一眼レフじゃないものは、ファインダー倍率をあげるのにも限界がある)
  • デジタル一眼をお持ちの方は、操作に慣れていて扱いやすく、カメラによってはそのレンズを使える。
一眼レフのデメリット
  • ミラーとペンタプリズムが付いているので大きく、重くなってしまう。
  • それと合わせて、レンズも大きい。

ということで、一眼レフはどうしても重く、大きくなってしまいますが、テーブルフォトのように寄ったり、望遠写真を撮るなら、一眼レフ一択と言っていいでしょう。